2008年5月11日日曜日

クストリッツァ

クストリッツァが初来日するということをある日飲んでいて聞いた。教えてくれたのはその日会ったばかりの若い姉妹で,ふたりして大ファンなのだという。それにもちょっと驚いたが,クストリッツァがバンドとして来日するというのにも驚いた。でも映画の中の音楽が蘇ってきて聴きたくなってチケットを買ってしまった。
クストリッツァの映画を見たのはそんなに前ではない。タイトルには覚えはあった。封切られているときに面白そうだと思った記憶もあったが、当時は映画を観るなどという余裕がなかった。自分のことに精一杯で,ふつう自分のことに本当に一生懸命ならばたまに映画だって観た方がいいのに、その時期は映画なんか観ている暇はないのだ,という感じで生きていたと思う。いま思うと観ておけばよかった、ということになるが過去は変えられない。だからよけいクストリッツァに開眼させてくれた時期のもろもろには感謝の念がつよい。
ずっと映画なんか観ている暇はないのだ、と生きてきたわけではなく、学生時代は,それもひとよりうんと長い学生時代にはかなりの本数を毎年観ていた。洋画邦画を問わず,オールナイト、自主上映、映画祭。渋谷、馬場、飯田橋、中野。三百人劇場、名画座、フィルムセンター。映画制作にも関わり,移動するローアングルとかでカメラを持ったままキャスター付きの台に乗せられて引っ張られたりした。と書くと今更だけどなんだかすごく学生らしいことをしていたような気になってくる。今と直接関わりはなくても、一見つながりがなさそうに見えても、血肉になってたりするのかもしれない。そういう部分は否定は出来ない。
来日にあわせて名画座で2本立ても企画されているようで、久々に学生街を歩き名画座で映画を観る、なんて一日を夢想している。